運転資金とは?なぜ運転資金が必要か?
- 原 アカシアデザイン
- 2023年11月29日
- 読了時間: 3分
運転資金とは、簡単にいうと「事業を行っていくためのお金」をいいます。 商品を仕入れるためのお金や、外注への支払い、従業員への給料の支払いや事務所の家賃・公共料金の支払いはすべて運転資金です。
これらを支払うために借入したり、資金繰りを上手にやって事業を運営していきます。
「運転資金」と検索してみると、売上債権(受取手形+売掛金)+棚卸資産-買入債務(支払手形+買掛金)という算式を見かけますが、専門用語が多くて難しいので、わかりやすく事例でご紹介します。
【事例】 あなたがイチゴ1個100円で仕入れて1個100円で販売するお店を始めたとします(まったく儲かりませんが気にしないでください笑)。 ある業者からイチゴを500個仕入れ、100円×500個=50,000円を明日支払う契約をしました。 イチゴが完売したのが10日後だとすると、仕入代金50,000円は10日後に支払えますが、明日には支払えません。 もし、明日から10日後までの間、銀行が50,000円貸してくれたら仕入代金は支払えます。 この借りた50,000円のことを運転資金といいます。
売上が常に先に入れば運転資金を借りる必要ありませんが、商売は基本的に売上の入金より仕入の支払いが先になるので、「仕入の支払い」と「売上の入金」のタイムラグを埋めるために運転資金が必要になるのです。
運転資金の種類
正常運転資金(経常運転資金)…上記イチゴの事例の運転資金をいいます。
季節運転資金…季節商品を販売するための仕入資金や従業員への賞与資金をいいます。
増加運転資金…売上の増加に伴う運転資金をいいます(売上が増えると仕入・経費も増えるため)。
減少運転資金…売上の減少に伴う運転資金をいいます(売上が減って過去の仕入代金や給与の支払いが困難になった場合など)。
運転資金を借りるときのポイント
1)借入の理由、返済財源を明確にする 運転資金が必要な理由を明確にしておきましょう。 前向きな理由としては「売上が増えて仕入の先払いが増えたから」など、後ろ向きな理由としては「売上が減って赤字を補填するため」などが挙げられます。 前向きな理由は、返済財源が明らかなので比較的融資が受けやすくなりますが、後ろ向きな理由は審査が厳しくなり、返済財源を明確にしなければいけません。 事業計画書に「いつまでに返せる」「○月×日に売上が入金されるので、そのお金で返済できる」などを記載して、しっかり返済できることを伝えましょう。
2)いくら必要か、何に使うかを伝える いくら必要なのか、借りたお金を何に使うかなどを具体的に説明しましょう。 たまに「借りられるだけ借りたい」とご相談いただくときがありますが、金額が明確でない場合、融資を断られる可能性が高いです。 よく勘違いされるのが、「手元資金を多く持っておきたい」は借入の理由にならないといわれますが、ちゃんとした立派な理由ですので、堂々と言って大丈夫です。 変な言い訳や嘘をつかず、真っ正直に理由を伝えましょう。
3)事業計画書を丁寧に作る 銀行に「ちゃんと返してもらえるだろう」と納得してもらうために、説得力のある事業計画書を作りましょう。 「今はこんな課題があるが、借入をすることで解消できる」や「今後このように事業をすすめるので売上が増える予定だ」ということをできるだけわかりやすく、具体的に伝えることが大切です。 融資審査が通る事業計画書を作るには、少なくとも50時間以上かかるといわれています。 大変な作業ですが、手を抜かずじっくりと取り組むのをおすすめします。 計画を練るのもなかなか楽しいですよ!

まとめ
運転資金についてご紹介しました。
軽視しがちな運転資金ですが、車で例えるとガソリンのようなもので、なくなると動かなくなってしまいます(=倒産)。
事業を行うためには運転資金は必要不可欠ですので、なくならないようにしましょう。